地質調査技士(現場技術・管理部門)を目指す

このページは、地質調査技士(現場技術・管理部門)を目指す人のために開設いたしました。 主に過去問の解答・解説、試験方法などについて記載していきたいと考えています。図書などを参考に記載していきますが、記載に誤りが含まれる可能性があります。 誤りがあった際はコメントをお願い致します。全地連では平成19年の過去問より無料公開していますが、出題された当時より改訂された物事があるため、基本的に過去問は新しい年より解答を載せています。

平成22年度 地質調査技士資格検定試験 過去門

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平成22年度 第45回 地質調査技士資格検定試験
「現場技術・管理部門」

A.社会一般,建設行政等の知識(10 問)

1. 次は,国土交通省の地質調査業者登録規程と地質調査技士の資格について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 地質調査業者登録をする場合,常勤かつ専任の技術管理者を置くことが義務づけられている。
(2) 地質調査業者登録をする場合,登録する全ての支店・営業所に,現場管理者を置くことが義務づけられている。
(3) 地質調査技士は,地質調査業者登録規程の現場管理者の資格として認められている。
(4) 地質調査技士は,地質調査業者登録規程の技術管理者の資格としても認められている。

正解は(4)

2. 次は,社団法人全国地質調査業協会連合会の継続教育について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 技術力の一層の向上を目指している。
(2) 社内講習会,自己学習,現場経験,委員会活動も継続教育として認められている。
(3) 継続教育の記録を保管することが義務づけられている。
(4) 現在,地質調査技士の登録更新に用いられている。

現在の正解はなし。

当時の正解は(4)ですが、平成25年度よりCPDによる登録更新を認められています。

3. 次は,地質調査技士の責務について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 法令・社会的規範の遵守
(2) 秘匿事項の保護
(3) 業界への説明責任
(4) 技術の向上

正解は(3)

(1)、(2)、(4)に関しては技術者倫理に掲載しています。
なので答えは(3)業界への説明責任です。

4. 次は,「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」に基づく大深度地下について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 大深度地下とは,地下 40m以深または支持地盤の上面から 10m以深のうちいずれか深い方の深さの地下と定義される。
(2) 大深度地下利用により,線状構造物の合理的なルートの設定が可能となり,事業期間の短縮,コスト縮減にも寄与することが見込まれる。
(3) 対象となる地域は,土地利用の高度化・複雑化が極端に進んでいる3大都市圏(首都圏・中部圏・近畿圏)に限られている。
(4) 大深度地下では,地表および地下浅部よりも地震の影響を受けやすいため,地震時におけるライフラインの安全確保の措置が重要である。

正解は(4)

(1)~(3)に書いてあることは適切です。
これに加え、
・地表や浅い地下に比べて地震に対して安全であり、地上で事業を実施する場合と比較して騒音の減少、景観の保護など地上の都市環境の保全に寄与します。
上下水道、電気、ガス、電気通信のような生活に密着したライフラインや地下鉄道、地下河川などの公共の利益となる事業を円滑に行えるようになります。

よって正解は(4)です。

5. 次は,地質調査業が規制される法律について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 建設業法
(2) 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律
(3) 下請代金支払遅延等防止法
(4) 公共工事の品質確保の促進に関する法律

正解は(1)

6. 下表は,「地質・土質調査成果電子納品要領(案)」のボーリング交換用データと電子柱状図および電子簡略柱状図のファイル形式を示したものである。適切な組合せ一つを選び記号((1)~(4)) で示せ。

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正解は(2)

ボーリング交換用データ
XML

電子柱状図
・PDF
・用紙サイズは原則「A3」
・掘進方向の尺度は1:100
・標準様式は「土質ボーリング柱状図様式」、「岩盤ボーリング柱状図様式」、「地すべりボーリング柱状図様式」

電子簡略柱状図
・SXF
・ファイル容量が30MBを超える場合は、事前協議により「SXF(SFC)」にしてもよい。
・掘進方向の尺度は1:100

7. 次は,土壌汚染対策法第二条第一項で定める物質(特定有害物質)を示したものである。適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) アルゴン化合物
(2) ケイ素およびその化合物
(3) ふっ素およびその化合物
(4) ヘリウムおよびその化合物

正解は(3)

揮発性有機化合物(第一種特定有害物質)

重金属等 (第二種特定有害物質)

  • カドミウム及びその化合物
  • 六価クロム化合物
  • シアン化合物
  • 水銀及びその化合物(うちアルキル水銀)
  • セレン及びその化合物
  • 鉛及びその化合物
  • 砒素及びその化合物
  • ふっ素及びその化合物
  • ほう素及びその化合物

農薬等 (第三種特定有害物質)

  • シマジン
  • チウラム
  • チオベンカルブ
  • PCB
  • 有機りん化合物

上記に含まれるのは、(3) ふっ素およびその化合物になる。

8. 次は,産業廃棄物管理票(マニフェスト)について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 排出事業者が産業廃棄物を自ら処理する場合でも,マニフェストの交付は必要である。
(2) 排出事業者は,マニフェストの交付後,定められた期限内に最終処分が終了したことを確認しなければならない。
(3) マニフェストは,必要事項を正確に記載したうえで,産業廃棄物を引き渡す際に交付する。
(4) マニフェストの虚偽記載を行った場合,措置命令や刑事罰などの罰則が適用されることがある。

正解は(1)

9. 次は,ISO9001:2008 年版(品質マネジメントシステム)の主要な特徴を述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 業種および形態,規模,提供する製品を問わず,あらゆる組織に適用できる。
(2) 製品の品質保証のみを目指している。
(3) システムの構造の画一化または文書の画一化を意図していない。
(4) システムの継続的改善の概念を導入している。

正解は(2)

10. 次は,治水施設について示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 頭首工
(2) 堤防
(3) 排水機場
(4) 床止め

正解は(1)

 

B.地質,土木・建築等の知識(14 問)

11. 下図は,種々の断層を模式的に示したものである。図のA~Dに当てはまる名称の適切な組合せ一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

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正解は(3)

12. 次は,河川の作用で形成された沖積平野の代表的な地形について示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 三 角 州:河川によって運搬された砂や泥が,河口付近に堆積してできた低くて平らな地形
(2) 後背湿地:はんらん原の背後に広がり,洪水がしばらく滞留したことによる沼沢性の低湿地
(3) 扇 状 地:河川によって形成された谷口を頂点とし平地に向かって扇状に開く半円錐状の堆積地形
(4) 自然堤防:河水によって運搬されてきた土砂が,高水,洪水などの際に河道の周囲に沿って堆積して形成された微高地

正解は(2)

13. 次は,安山岩について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 安山岩の組織は,斑状で,完晶質である。
(2) 安山岩の斑晶は,斜長石・輝石・角閃石・黒雲母などからなる。
(3) 安山岩は,火山岩である。
(4) 安山岩は,中性岩である。

正解は(1)

完晶質は深成岩に見られる特徴です。

14. 下図は,地震観測(上下動)記録を模式的に示したものである。図中の空欄 A ~ D に当てはまる名称の適切な組合せ一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

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正解は(4)

A:P波
B:S波
C:表面波の到達
D:初期微動継続時間

15. 次は,2009 年 6 月 30 日に国際地質科学連合(IUGS)が,第四紀と新第三紀の境界(第四紀の下限)を再定義した年代を示したものである。適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 58 万年前
(2) 158 万年前
(3) 258 万年前
(4) 358万年前

正解は(3)

16. 下表は,片道の水準測量の野帳記録である。A地点を基準としてD地点の標高を求めたものである。A地点の後視とD地点の標高の空欄 に当てはまる数値の適切な組合せ一つを選び 記号((1)~(4))で示せ。

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正解は(4)

17. 次は,地理情報システム (GIS:Geographic Information System) の機能を示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 図形の作製・編集
(2) 現在位置の測定
(3) 空間解析
(4) 検索

正解は(2)

18. 次は,コンクリートについて述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) ワーカビリティーとは,運搬・打込み・締固め・仕上げなどの作業の容易さをあらわす。
(2) コンクリート骨材は,20mmふるい通過率を基準として,細骨材と粗骨材に分けられる。
(3) セメントペースト部分における水のセメントに対する質量の割合を水セメント比という。
(4) 凝固する前の状態をフレッシュコンクリート生コンクリートまたは略して生コン)という。

正解は(2)

19. 次は,陸上部の沖積地盤中に計画されたシールドトンネルの調査手法について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 計画ルート沿いのボーリング情報を補間し,地盤構造を把握するために,地表面から音波探査を実施することが多い。
(2) ボーリングは,一定間隔でシールド計画底面+αの深度まで,標準貫入試験を併用して実施する。
(3) ボーリング孔を利用した代表的な原位置試験としては,地層の間隙水圧測定(砂質土では現場透水試験)が挙げられる。
(4) 可燃性のメタンガスが賦存している地域については,地中ガス調査が必要である。

正解は(1)

20. 次は,主な地球環境問題を示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 開発に伴う,生物多様性の減退・生態系の破壊
(2) 炭酸ガスの排出によるオゾン層破壊
(3) 温室効果ガスの放出による,地球温暖化・海面上昇・凍土融解
(4) 工業化の進展や自動車の普及に伴う,大気汚染・酸性雨

正解は(2)

炭酸ガス温室効果はあるがオゾン層は破壊しない。
オゾン層を破壊するのはメタンガスである。 

21. 次は,盛土の締固め度を求めるために,現場で行う試験方法を示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) コアカッターによる土の密度試験
(2) 砂置換による土の密度試験
(3) RIによる土の密度試験
(4) ピクノメーターによる土粒子の密度試験

正解は(4)

22. 次は,地下水位が高い未固結地盤の根切り工事において,盤膨れ対策として採用される工法を示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 下位の難透水層への止水壁の根入れ
(2) 釜場排水による湧水排除
(3) ディープウェルなどによる地下水位低下
(4) 薬液注入による止水改良

正解は(2)

「釜場排水」は、掘削溝内に湧き出てきた地下水を排水する工法で盤膨れ対策にはならない。

23. 次は,「密度の増大」による液状化対策工法を示したものである。適切なもの一つを選び記号((1) ~(4))で示せ。

(1) サンドコンパクションパイル工法
(2) ディープウェル工法
(3) グラベルドレーン工法
(4) 深層混合処理工法

正解は(1)

ディープウェル工法は「地下水位低下」
グラベルドレーン工法は「水の排水」
深層混合処理は「地盤改良」

24. 次は,地すべりの素因を示したものである。適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 地震
(2) 豪雨
(3) 温泉余土
(4) 切土

正解は(3)

地震動、豪雨、切土は後天的な要因のため誘因となる。

 

C.現場技術の知識 (26問)

[Ⅰ]ボーリング技術(8問)

25. 次は,ボーリングに使用される機器について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) ウォータスイベルは,ポンプから送水される掘削流体をロッドに送るためのジョイントの役目と,ロッドの揚降に用いられる。
(2) セジメントチューブは,カッティングス(掘屑)を採取するためのチューブで,コアチューブの上部に取付けて使用する。
(3) ダイヤモンドビットは,メタルクラウンでは掘削困難な硬質な岩盤等を掘削するときに有効なビットである。
(4) ロッドホルダは,孔内のボーリングロッドを孔の口元で保持する器具で,浅尺用では一般に手動式で,枠の中に2コの扇型の駒(ジョー)を備えている。

正解は(1)

ウォータスイベルは、ポンプから送水される掘削流体をロッドに送るためのジョイントの役目はあるが、ロッドの揚降には用いない。

26. 次は,運搬計画について述べたものである。文章中の空欄 A ~ D に当てはまる語句の適切な組合せ一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

掘削仕様が決まると調査に必要な機材の規格・数量などが決定される。
これらの機材は大きなものは A から小さなものは B に至るまで,全機材をもれなく現地に運搬しなければ ならない。
そのためには C を作成し,機材の数量・重量・容積および D を記載し, トラック積載計画を立て,ボーリング調査開始後の機材不足を避ける。

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正解は(2)

27. 下表は,調査ボーリング終了後にクレーン付きトラックを使用して,機材解体・撤去する場合の一般的な作業項目とその順序を示したものである。適切な組合せ一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

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正解は(3)

28. 機械高(残尺測定基準)が地表から 1.5mあって,現在 1.5mのコアバレルに 3mのロッド 12 本を継ぎ足して掘進中である。残尺が 1.5mであるときの掘削深度はいくらであるか。適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 34.5m
(2) 36.0m
(3) 39.0m
(4) 40.5m

正解は(1)

29. 次は,コア採取率向上を目的に,ロータリー式スリーブ内蔵二重管サンプラーを使用する場合の留意点について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 破砕帯や軟質岩を掘進する場合は,低速回転で少量の送水にて行う。
(2) ビットは対象地盤にかかわらずメタルクラウンビットを使用する。
(3) コア詰りの兆候があれば,直ちに掘進作業を中止しコアバレルを回収する。
(4) 軟質層や破砕帯の掘削には,可能な限り大きな径のコアバレルを使用する。

正解は(2)

ビットは対象岩盤の硬軟により使い分けを行う。

30. 次は,使用済み泥水の処理やボーリングコアの処分について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 発生廃泥水は,産業廃棄物として処分した。
(2) ボーリングコアを処分するために,ボーリングコアを採取した箇所に運搬して穴を掘り,地中に埋めて処分した。
(3) ボーリングコアは,産業廃棄物として処分した。
(4) 泥水を水と固形物に分離するための処理薬剤や処理方法が開発されている。

正解は(2)

31. 次は,埋設物の危険性がある場所でボーリング調査を実施する場合の留意点について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 市街地でのボーリング調査では,埋設物の有無などの聞き取り調査を行い,埋設物の所有者が必要ないと認めた場合には試掘までする必要はない。
(2) 埋設物に近接したボーリング調査の場合,工事用水,泥水などが浸透しないように十分な対策が必要である。
(3) 火気に弱い埋設物,可燃性物質の輸送管などの埋設物に近い所では,電気溶接機やガス切断機などの機械の使用は控えたほうが良い。
(4) 地上から手掘り,またはオーガーで埋設物の有無を調査した上で掘進に入らなければならない。

正解は(1)

32. 次は,地すべり防止対策の内,集水ボーリング工事について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 集水孔の湧水箇所付近にはストレーナ(スクリーン)の付いた保孔管を挿入するが,ストレーナ(スクリーン)は地質に適したものを使用する。
(2) 集水ボーリングの位置,方向,間隔,本数等は調査,設計段階で決定すべきものなので,本来施工中の変更は極力避けなければならない。
(3) 集水ボーリングは一般にすべり面を切るように行なわれる。
(4) 孔径は 66 ㎜以上とし,浅層地下水排除のときは 20~50mの長さで削孔するのが一般的である。

正解は(2)

[Ⅱ]サンプリング,原位置試験および孔内検層(8 問)

33. 下表は,対象土質および室内土質試験項目によって選定されるサンプラ-を示したものである。不適切な組合せ一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

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正解は(3)

34. 次は,標準貫入試験(JIS A 1219-2001)について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 所定の深さに標準貫入試験用サンプラーを降ろした状態で貫入することをロッド自沈と呼ぶ。
(2) 貫入不能とは,予備打ち,及び本打ちにおいて,50 回の打撃に対して累計貫入量が 5cm 未満の場合を言う。
(3) ドライブハンマーをノッキングブロックにセットした段階で自沈した場合は,ハンマー自沈とし,自沈深さを測定する。
(4) ロッド自沈量とハンマー自沈量の累計は 60cm を越えないようにする。

貫入不能とは50回の打撃に対して10㎜未満の場合

正解は(2)

35. 次は,孔内水平載荷試験(JGS1421-2003)について述べたものである。適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 粘性土を対象とした試験であり,砂質土には適用できない。
(2) 標準貫入試験やサンプリングなどと同一深度で実施する必要がある。
(3) 試験の加圧ステップは,あらゆる地盤で同一とし,対象地盤の硬さにより,変えてはならない。
(4) サンプリングが困難な地盤でも孔壁が保持できれば試験が可能である

正解は(4)

(1)全ての土・岩盤に適用可能なため×
(2)標準貫入試験を行った深度は乱されているため、標準貫入試験との同深度での併用は不可能なため×
(3)加圧ステップは対象地盤によりことなるため×

36. 次は,「地盤調査の方法と解説(地盤工学会,2004 年)」に基づく静的サウンディングについて述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 抵抗体を地盤中に一定速度で貫入,膨張あるいは回転したときの抵抗などを測定するものである。
(2) ロッドは,単管,二重管,差動二重管などが用いられる。
(3) 抵抗体は,コーン,スクリュー端,角錐端,ベーンなどが用いられる。
(4) スウェーデン式サウンディング試験,ポータブルコーン貫入試験,オートマチックラムサウンディングなどがある。

正解は(4)

オートマチックラムサウンディングは動的コーン貫入試験を指す。

37. 次は,地盤の平板載荷試験(JGS1521-2003)について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 原地盤に剛な載荷板を設置して荷重を与え,荷重の大きさと載荷板の沈下量の関係から地盤の支持力特性を調べるための試験である。
(2) 載荷パターンには段階式載荷と段階式繰返し載荷がある。
(3) 求められる支持力特性は載荷板直径の 5~10 倍程度の深さの地盤が対象である。
(4) 試験地盤に礫が混入する場合には,礫径の5倍以上大きい載荷板を用意する。

正解は(3)

38. 次は,孔内水位回復法による岩盤の透水試験方法(JGS 1321-2003)について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 単一のボーリング孔を利用して岩盤の平衡水位および透水係数を求めることができる。
(2) 水位測定管内の水位を経時的に測定し,水位回復と時間の関係より透水係数を求める。
(3) 水位回復が 1 時間あたり 1cm 未満になれば,実用上は平衡水位に達したとみなしてよい。
(4) 通常,透水係数が 10-4m/s オーダより高い試験区間でも解析に必要な測定データ数は得られる。

正解は(4)

39. 次は,電気検層の実施に際しての孔内条件を述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 孔内水は清水でも泥水でも適用可能である。
(2) 裸孔が望ましいが,有孔塩ビ管で保孔して試験を行ってもよい。
(3) 測定結果はボーリング孔径の影響を受けるため,ボーリング孔径の深さ方向の変化を測定する必要がある。
(4) ゾンデを吊り下げて試験を行うため,斜めボーリング孔には適用できない。

正解は(3)

40. 下表は,物理検層の適用について示したものである。不適切な組合せ一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

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正解は(3)

キャリパー検層は孔内の状況を計測するため、ケーシングがあると測定はできない。

[Ⅲ]試料の判別・分類(10 問)

41. 次は,現場で土の分類を行う場合の留意点について述べたものである。適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 広く通用している俗称(まさ土,しらす鹿沼土等)の土は,俗称を使用しないで土質分類名としなければならない。
(2) ロームは液性限界・塑性限界試験を行わなくても分類できる。
(3) 細砂とシルトの判別は,土を乾燥させ,乾燥土塊が指圧で簡単に崩れるのが細砂,強い指圧を与えないと崩れないのがシルトである。
(4) 有機物を主とする土が高有機質土であるが,さらに繊維質でスポンジ状を呈する黒泥と分解の進んだ泥炭とに区分出来る。

正解は(3)

42. 下表は,Terzaghi and Peck の「粘性土の N 値とコンシステンシ-の関係」をもとに実測 N 値 に対応するコンシステンシ-を示したものである。不適切な組合せ一つを選び記号((1)~(4)) で示せ。

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正解は(2)

43. 下図は,塑性図による細粒土の分類法を示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1) ~(4))で示せ。

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(1) 図中の線②をB線と称する。
(2) 図中の領域(ア)は,低液性限界の粘土(CL)に分類される。
(3) 図中の領域(イ)(ウ)は,高液性限界のシルト(MH)に分類される。
(4) 火山灰質粘性土(V)は,図中の線②を境として右側がVH2に細分類される。

正解は(1)

44. 次は,ある岩石について述べたものである。岩石名として適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

「黒っぽい石基中に白い斑晶がみられる,マグマが地表あるいは地下浅所で急冷されて生成した岩石」

(1) 流紋岩
(2) 凝灰岩
(3) 玄武岩
(4) 花崗岩

正解は(3)

「マグマが地表あるいは地下浅所で急冷されて」という記載から火山岩ということが分かる。
流紋岩玄武岩の2つに絞られるが、「黒っぽい石基中に白い斑晶」という記載から玄武岩ということが分かる。

例外はありますが、流紋岩は白っぽい色を示します。

45. 次は,岩盤の力学特性を考慮したボーリングコアによる岩級判定について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) コア採取率は,高品質のコアが採取可能になった現在でも,岩級判定の重要な要素となる。
(2) RQD は,岩盤の割れ目の間隔を反映しているため,岩級判定の重要な要素となる。
(3) コアの硬軟は,岩盤の強度や変形性を反映しているので,岩級判定の重要な要素となる。
(4) コアの割れ目の開口状態は,コア採取時やコア箱の移動時にコアがずれたりして変わるので,岩級判定の要素となりにくい。

 

正解は(1)

46. 次は,岩盤の不連続面の組合せを示したものである。適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 断層・節理・層理
(2) 節理・溶食・シーム
(3) 断層・褶曲・スレーキング
(4) 片理・風化・パイピング

正解は(1)

47. 下図は,標準貫入試験の打撃回数と累計貫入量を示したものである。N 値とその内訳の記載として適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。なお,同図は予備打ちと本打ちを連続して 計測している。

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(1) 12(3,5,4)
(2) 8(2,3,3)
(3) 9(3,4,2)
(4) 8(3,3,2)

正解は(3)

48. 下図は,中礫の亜円礫を示したものである。適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

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正解は(1)

49. 次は,岩盤ボーリングの柱状図作成について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) JACIC の岩盤ボーリング柱状図様式は,地すべり調査には必ずしも用いられない。
(2) 風化区分は,適宜,JACIC 様式の風化区分を修正して用いてよい。
(3) 岩種判定は,正確をきすためにどんな場合でも岩石の顕微鏡観察によって行う。
(4) コア観察時の照度の確保は,自然光を原則とする。

正解は(3)

50. 次は,ボーリングコアの観察について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1) ~ (4))で示せ。

(1) 断層粘土の固さを確認するため,写真撮影前にコアに触れた。
(2) 岩級を確認するため,写真撮影前にコアをハンマーで打診し割った。
(3) 地すべり面を確認するため,写真撮影後にコアを割って内部を観察した。
(4) 旧河床砂礫層を確認するため,写真撮影後にコアを水で洗った。

正解は(2)

 

D.調査技術の理解度 (8問)

51. 次は,標準貫入試験(JIS A 1219-2001)により採取した試料を利用して行う土質試験の一例を示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 土粒子の密度試験(JIS A 1202:1999)
(2) 湿潤密度試験(JIS A 1225:2000)
(3) 強熱減量試験(JIS A 1226:2000)
(4) 粒度試験(JIS A 1204:2000)

正解は(2)

52. 次は,各種の岩石試験に用いる供試体について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 一軸圧縮試験を行う場合は,コア採取後の飽和度の保持に留意しなければならない。
(2) 体積置換法で供試体の体積を求める場合は,水の密度の温度補正を行う必要がある。
(3) 一軸圧縮試験と同じ寸法の円柱供試体を用いて点載荷試験を行う場合は,供試体の端面を載荷する必要がある。
(4) 点載荷試験および針貫入試験は,不定形供試体でも行える。

正解は(3)

53. 下図の地質断面の模式図において,地層の層序や構造の関係として不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

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(1) 地層A,B,Cは背斜構造である。
(2) 地層Cと地層Dは不整合の関係にある。
(3) 断層Fと貫入岩Gの活動時期は,貫入岩Gが新しい。
(4) 断層Fは正断層である。

正解は(3)

54. 次は,岩石・土の状態と比抵抗の定性的な関係を述べたものである。適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 水の飽和度が高いほど,比抵抗値は高い。
(2) 間隙率(飽和状態)が小さいほど,比抵抗値は低い。
(3) 粘土分が多いほど,比抵抗値は低い。
(4) 風化・熱水変質の程度が強いほど,比抵抗値は高い。

正解は(3)

55. 次は,各種物理探査とその適用について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1) ~(4))で示せ。

(1) 弾性波探査は,主に地盤の地下水特性評価に用いられる。
(2) 磁気探査は,主に不発弾や残置シートパイル等の金属埋設物を調べるのに用いられる。
(3) 地中レーダは,主に空洞,埋設管,埋設物および遺跡調査に用いられる。
(4) 常時微動測定は,主に地盤の振動特性評価に用いられる。

正解は(1)

56. 次は,N 値から推定される地盤定数とその際の留意点を述べたものである。空欄 A ~ C に当てはまる語句の適切な組合せ一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

「N 値は杭の先端支持力の推定,液状化の判定など直接利用のほか,砂質土の内部摩擦角,粘性土の一軸圧縮強度(粘着力), Aなど設計用地盤定数の推定に活用出来る。その際は N 値に影響を及ぼす諸要因(標準貫入試験装置・器具,試験法, B ,ほか)を踏まえた適切な補正 ( C )を行う必要がある。」

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正解は(2)

57. 次は,各種調査法の特徴を述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 地質踏査は地質調査の基本であり,その後の調査計画を策定する上で重要である。
(2) 電気探査で得られる比抵抗値は,岩盤の硬軟を判断するのに適している。
(3) 屈折法地震探査(弾性波探査屈折法)は,岩盤分類を行うために利用されることが多い。
(4) 反射法地震探査(弾性波探査反射法)は,堆積岩の層構造の連続性把握に適している。

正解は(2)

58. 次は,設計用地盤諸定数を設定するために行われるばらつきを有するデータに対する処理方法を述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) データの平均値を設計値とする方法は,通常よく用いられている。
(2) データの平均と分散を考慮して設計値を設定する方法は,標準偏差を用いて平均値を補正している。
(3) データの最小値あるいは最大値を設計値とする方法は,地盤の最弱点が構造物の力学的挙動や安全性を支配している場合によく用いられる。
(4) データの最小値あるいは最大値を設計値とする方法は,データが多い場合によく用いられている。

正解は(4)

 

E.解析手法,設計・施工への適用(8 問)

59. 次は,地すべりの安定解析手法を示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 修正フェレニウス法(Fellenius 法)
(2) ヤンブ法(Janbu 法)
(3) 修正ベンチュリー法(re-Venturi 法)
(4) 簡易ビショップ法(Bishop 法)

正解は(3)

二次元の解析法
・フェレニウス法(簡便法)
・修正フェレニウス法
・簡易ビショップ法
・ヤンブ法

三次元の解析法
・ホフランド法

標準スライス法(簡便法)に必要な物性値および条件
・地下水位
・粘着力、せん断抵抗角
・単位体積重量

 

修正ベンチュリー法という安定解析手法はない。

60. 次は,地震応答解析に関連する用語を示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~ (4))で示せ。

(1) せん断弾性係数
(2) 履歴減衰係数
(3) 鋭敏比
(4) ハーディン・ドルネヴィッチモデル

正解は(3)

耐震設計や耐震診断などにおいて、構造物や地盤をモデル化し、地震動を入力して、どのような変形や揺れが生じるか、構造部材に発生する断面力などを求めるための解析のこと。特に、地震動を対象とする場合に地震応答解析とよぶ。

せん断弾性係数(せん断弾性率)…せん断力による変形のしやすさをきめる物性値。
履歴減衰…載荷時と除荷時で違う経路を通ることで生じる現象。
鋭敏比…土の乱さない状態における一軸圧縮強さと、含水量を変えないで練り返した状態における一軸圧縮強さ(歪み15%のとき)との比。
ハーディン・ドルネビッチモデル…表層地盤の材料特性は表層地盤の応力とひずみの関係を表したヒステリシスに基づく非線形特性を備えた材料特性として解析する方法。

地震応答解析に必要な地盤の物性値
・単位体積重量
・せん断弾性係数
ポアソン比…弾性限界内で、例えば引張りを加えた時に荷重方向の伸び(ひずみ%)、と荷重に直角方向の寸法の縮み(ひずみ%)の比。

せん断ひずみは変形の角度。

せん断ひずみは礫、砂、粘土、有機質土の順に小さい。

61. 次は,有限要素法(Finite Element Method)について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 分割された各要素のひずみ,応力を計算できる。
(2) 有限個の要素の集合体と考える。
(3) 物性の異なる部分がある場合でも適用できる。
(4) 要素数を増やせば正解を得ることができる。

正解は(4)

微分方程式を近似的に解くための数値解析の方法。複雑な形状・性質を持つ物体を単純な小部分に分割することで近似し、全体の挙動を予測しようとするもの。構造力学流体力学などの様々な分野で使用されている。

・ひずみ、応力を計算できる。
・物性の異なる部分があっても解析できる。
・物体が複雑な形をしていても適用できる。
・有限個の要素の集合体と考える。
・地下水の流動を計算できる。
・分割された各要素のひずみ、応力分布を計算できる。

62. 次は,浸透流解析について述べたものである。文章中の空欄 A ~ C に当てはまる語句の適切な組合せ一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

「浸透流解析は,建設工事が A に与える影響検討や洪水時における河川堤防の安全性検討において用いられる。解析を行う際の B においては, C に着目した土層区分や飽和透水係 数の把握が特に重要となる」

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正解は(1)

63. 次は,杭基礎について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 杭基礎の鉛直支持力は,先端支持力と周面摩擦力に分けられる。
(2) 短い杭基礎では,杭に曲げが生じないため,水平方向の地盤反力は検討する必要はない。
(3) 支持層が深い場合や良好な支持層がない場合,周面摩擦力のみを考慮した摩擦杭が採用される場合がある。
(4) 沖積粘性土が厚く分布する地盤では,負の摩擦力の検討が必要となる場合がある。

正解は(2)

杭基礎…構造物の荷重を杭で支持層に伝える基礎のこと。

支持力算定式に必要な地盤情報
・N値
・土の湿潤密度
・土のせん断強度

方法と、必要な情報
・杭の鉛直載荷試験…荷重と沈下量
・杭打ち試験…貫入量とリバウンド(打ち込み抵抗)

・杭基礎の鉛直支持力は、先端支持力と周面摩擦力に分けられる。
・支持層が深い場合や良好な支持層がない場合、周面摩擦力のみを考慮した摩擦杭が採用される場合がある。
・沖積粘土層が厚く分布する地盤では、負の摩擦力の検討が必要となる場合がある。

64. 次は,圧密沈下量を計算する上で必要な物性値および条件を示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 土の単位体積重量
(2) 地下水位
(3) 圧密層の層厚
(4) 排水層の位置

正解は(4)

65. 次は,液状化が発生しやすい地区を予測するための地形を示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 扇状地
(2) 旧河道
(3) 後背湿地
(4) 三角州

(1) 扇状地
河川が山地から出た地点に河川が運び出す土砂が堆積して形成された扇形の地形。主として砂礫からなり、地盤は良いが、出水時には水害をうける可能性がある。砂礫から構成されており排水性が高いため液状化の可能性は低い。
ただし、扇状地の下端にあたる扇端では構成する粒度が小さく伏流水が湧水として地表に出てくることもあり、液状化の可能性が考えられる。
(2) 旧河道
帯状の凹地過去の河川流路の跡。非常に浸水しやすく水はけが悪い。液状化の可能性は非常に高い。
(3) 後背湿地
自然堤防や砂州・砂堆などの背後に位置し、河川の堆積作用が比較的及ばない低湿地。非常に水はけが悪く、地盤は軟弱。液状化の可能性は高い。
(4) 三角州
海水面の低下によって陸地となった平坦地や、河口にあって堆積作用によって形成された平坦地。砂、粘土からなり、地盤は軟弱。液状化の可能性は高い。

厳密には全てが液状化の発生しやすい地形ですが、可能性として(1)となります。

66. 次は,直接基礎の種類を示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 複合フーチング基礎:数本の柱からの荷重を複数のフーチングで支える基礎
(2) 独立フーチング基礎:単一の柱からの荷重を一つのフーチングで支える基礎
(3) 連続フーチング基礎:壁または一連の柱からの荷重を帯状のフーチングで支える基礎
(4) べ た 基 礎 :荷重を平面的に配置した単一のスラブで支える基礎

正解は (1)

 

F.管 理 技 法 (8問)

67. 次は,ボーリング作業足場および高所作業時の安全事項について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 高さ 2m以上の足場の組立てには,労働安全衛生規則により作業主任者を選任する。
(2) 高さ 2m以上の足場の作業床は,幅 40cm 以上とする。
(3) 単管足場 1 スパンの積載荷重は,4kN 以下とする。
(4) 高さ 2m以上の足場には,高さ 90cm 以上の手すりと中さんを設ける。

正解は(1)

作業主任者を選任するのは、高さ5m以上の組立てより必要になる。

※(4)の内容は、現在改訂され高さ85㎝以上となっています。

68. 次は,労働安全衛生規則による作業主任者を選任しなければならない作業を示したものである。適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 原動機出力 7.5kW 以下の索道仮設
(2) 火薬の装填・発破
(3) 酸素欠乏危険箇所における作業
(4) フォークリフトの運転

正解は(3)

(作業主任者の選任が必要な作業)
・掘削面の高さが2m以上となる砕石法第二条に規定する岩石の採取のための掘削
・動力7.5kW以上、支柱間距離350m以上または最大使用荷重2kN以上のいずれかに該当する索道の組み立て、解体または変更の作業
・コンクリート造の高さが5m以上である工作物の解体または破壊の作業
・酸素欠乏危険箇所における作業
・高圧室内作業(大気圧を超える気圧下の作業)
・アセチレン溶接装置を用いて行なう金属の溶接、溶断または加熱の作業

69. 次は,労働安全衛生法で定められている特別教育について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 労働安全衛生法に基づき特別教育を受けたものは,それだけでは同法に定める作業主任者になることは出来ない。
(2) ボーリングマシンの運転は,特別教育を受ければ従事することが出来る。
(3) 特別教育とは,危険又は有害な業務に労働者をつかせる場合に事業者が実施するものである。
(4) 1t 以上の不整地運搬車の運転は,特別教育を受ければ従事することが出来る。

正解は(4)

1t以上の不整地運搬車の運転は技能講習が必要です。

70. 次は,ボーリング作業を行う上での許可・申請について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 道路にボーリングにより地下水位観測孔を設置する場合は,道路管理者の許可が必要である。
(2) 温泉掘削を行う場合は,当該地の市町村長の掘削許可が必要である。
(3) 河川区域内および河川保全区域内で作業を行う場合には,河川管理者の許可を得る必要がある。
(4) 海上で作業を行う場合は,水域占用許可,海上作業許可または海上作業届けが必要である。

正解は(2)

温泉法第3条より引用。
温泉を湧出させる目的で土地を掘削しようとする者は、環境省令で定めるところにより、都道府県知事に申請してその許可を受けなければならない。

71. 次は,ボーリングマシン特別教育について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1) ~(4))で示せ。

(1) 特別教育では,学科と実技の両方の科目に関する教育が実施される。
(2) 特別教育を受けた者でなければ,ボーリングマシンの運転業務に従事できないことが労働安全衛生法で定められている。
(3) 特別教育を行った者は,受講者や科目の記録を最長で1年間保存する必要がある。
(4) 特別教育では,法令および労働安全衛生法の関係条項に関する教育も実施される。

正解は(3)

特別教育を受講した記録は3年間保管しなければいけません。

72. 次は,ボーリングマシンの安全規制について述べたものである。適切なもの一つを選び記号((1) ~(4))で示せ。

(1) チャック作業やロッド着脱作業を行なう場合には,クラッチレバーにストッパを取り付けて確実に動力を遮断しなければならない。
(2) ワイヤロープの安全率は作業の安全に十分な強度を有するものであることが定められているが,ボーリング作業では安全率を2以上とすることとされている。
(3) ワイヤロープを最も繰り出した場合でも巻胴に1巻残るような使用をしなければならない。
(4) やぐらは出来るだけ水平分力がかかるように使用する。また,ロッドを吊り上げた後は巻上機に荷重をかけたままの状態で,次の作業に移る。

正解は(1)

(2) ボーリング作業におけるワイヤーロープの安全率は6以上です。
(3) ワイヤロープを最も繰り出した場合でも巻胴に2巻以上残るような使用
(4) ロッドを吊り上げた後は巻上機に荷重をかけたままの状態で別の作業を行ってはいけません。

73. 次は,地質調査に用いられる代表的な工程図について述べたものである。文章中の空欄 A ~ D に当てはまる語句の適切な組合せ一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

縦軸方向に A を列挙し,横軸に B をとったもので,地質調査に最も良く用いられる工 程図表である。
C には各工程の所用日数が明確に示され,各工種との相関性もある程度はわかるが,全体工事に影響を与える D がわからないという欠点がある。

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正解は(1)

74. 次は,地質調査における調査業務の諸経費について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 諸経費は,管理費と利潤(利益)から構成される。
(2) 管理費には,給与や法定福利費,地代家賃,旅費交通費などが含まれる。
(3) 諸経費の算定は,(直接費+間接費)×諸経費率で求められる。
(4) 諸経費率は,直接費と間接費の合計金額に関わらず,一定の値が用いられる。

正解は(4)

直接費…人件費、材料費、機械経費
間接費…運搬費、共通仮設費、旅費日当宿泊費

・諸経費は、管理費と利潤(利益)から構成される。
・管理費には、給与や法定福利費、地代家賃、旅費交通費などが含まれる。
・諸経費の算定は、(直接費+間接費)×諸経費率で求められる。

 

G.入札・契約制度,仕様書等の知識(6 問)

75. 次は,著作権法に規定する著作物に該当する調査成果物の著作権保護期間を示したものである。適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 20 年
(2) 30 年
(3) 40 年
(4) 50 年

正解は(4)

・受注者は、第三者の権利の対象となっている地質・土質調査方法の使用に関し、費用負担を発注者に求める場合には、第三者との補償条件の交渉前に発注者の承諾を受けなければならない。
・著作物に該当する調査成果物の著作権保護期間は50年である。
・発注者は、成果品が著作物に該当するとしないとにかかわらず、当該成果品の内容を受注者の承諾なく自由に発表することができる。
・受注者は、成果品が著作物に該当するとしないとにかかわらず、発注者が承諾した場合には、当該成果品の内容を公表することができる。
・受注者は、成果品が著作物に該当する場合においては、発注者が当該著作物の利用目的の実現のためにその内容を改変するときは、その改変に同意する。

著作権保護期間は50年

76. 次は,国土交通省のプロポーザル方式における技術者の評価の着眼点を示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 技術者の資格・学歴,その専門分野の内容
(2) 同種または類似業務の実績の内容
(3) 手持ち業務金額および件数
(4) 当該事務所管内,周辺での業務実績の有無

正解は(1)

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主に業務の委託先や建築物の設計者を選定する際に、複数の者に目的物に対する企画を提案してもらい、その中から優れた提案を行った者を選定すること。発注者は提案書並びにヒアリングの結果を基に受託希望者を選定する。選定後は、提案書選定の時点ですでに競争が終了しているとの考え方から、行政機関においては随意契約により業務委託の契約を締結する。

技術者の評価の着眼点
・同種または類似業務の実績の内容
・手持ち業務金額および件数
・当該事務所管内、周辺での業務実績の有無

参加表明書に記載する事項
保有する技術職員の状況
・同種または類似の業務の実績
・配置予定技術者の手持ち業務の状況

 

となっています。
技術者の資格、学歴、その専門分野に内容については不問です。

77. 次は,仕様書に関する事項について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 仕様書とは,業務を遂行する上で,必要な事項を説明・指示したものである。
(2) 仕様書には,共通仕様書と特記仕様書があるが,特記仕様書は,共通仕様書の内容を抜粋したものである。
(3) 地質調査業務共通仕様書は,地質調査業務全般が適用範囲であり,特記仕様書は,個々の地質調査業務が適用範囲である。
(4) 共通仕様書と特記仕様書で同じ作業での指示内容が異なる場合は,受注者(請負者)は発注者の監督職員に確認して指示を受けなければならない。

正解は(2)

特記仕様書とは共通仕様書を補足し、調査に関する明細または調査に固有の技術的要求を求める書類のことである。
共通仕様書と特記仕様書で同じ作業での指示内容が異なる場合は、特記仕様書を優先するが、念のため発注者との確認が望ましい。

78. 次は,TECRIS(テクリス)について述べたものである。不適切なもの一つ選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 整備・運営は,「財団法人日本建設情報総合センター(JACIC)」が行っている。
(2) 登録は,原則として,業務契約時,業務内容変更時(請負金額変更等が行われた時),および業務完了時に行うことになっている。
(3) 登録対象業務は,公共機関から受注した測量・調査・設計等の業務であり,1 契約あたりの請負代金額が500万円(消費税及び地方消費税相当額を含む)以上の業務である。
(4) 公共発注機関並びに公益民間企業が発注する公共性の高い事業に関する業務実績情報をデータベース化し,発注機関および企業に対して情報提供を行うものである。

正解は(3)

登録対象業務は、公共機関から受注した測量・調査・設計等の業務であり、1契約あたりの請負代金額が100万円(消費税及び地方消費税相当額を含む)以上の業務である。

テクリス登録は、公共発注機関並びに交易民間企業が発注する公共性の高い事業に関する業務実績情報をデータベース化し、発注機関および企業に情報提供を行うものである。

原則として業務契約時、業務内容変更時(請負金額変更などが行われた時)および業務完了時に行う。

情報提供の内容は、発注機関には業務実績の他、登録されている企業情報、実績・技術者情報など、企業(請負者)には自社の企業情報・実績・技術者情報などである。
整備・運営は、「財団法人日本建設情報総合センター(JACIC)」が行っている。

業務完了時の登録では、業務実績データとして業務キーワードを最大5つ、業務概要を全角300字以内で登録する必要がある。

↓(2019年3月変更)

業務完了時の登録では、業務実績データとして業務キーワードを最大10つ、業務概要を全角500字以内で登録する必要がある。

テクリスでは、管理(主任)技術者:1名(必須登録項目)、照査技術者:1名(任意登録項目)、担当技術者:8名(任意登録項目)を登録することができます。

↓(2020年9月変更)

テクリスでは、管理(主任)技術者:1名(必須登録項目)、照査技術者:1名(任意登録項目)、担当技術者:99名(任意登録項目)を登録することができます。

79. 次は,地質調査における瑕疵担保について述べたものである。適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 請負者は,瑕疵の原因が発注者の指示による場合でも,一般に瑕疵担保責任を負う。
(2) 瑕疵の修補または損害賠償の請求の期限は,通常は無期限である。
(3) 発注者は,成果物の引き渡し後に瑕疵が見つかった場合,その修補および損害の賠償を請求できる。
(4) 請負者は,一般に業務の完了 1 年後から瑕疵担保責任を負う。

正解は(3)

瑕疵(かし)…通常、一般的には備わっているにもかかわらず本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないこと。

・かしの補修または損害賠償の請求については、通常は期限が定められている。
・発注者は、成果物の引渡し後にかしが見つかった場合でも、その補修および損害の賠償を請求できる。
・請負者は、一般に業務の完了後からかし担保責任を負う。

(1)瑕疵の原因が発注者の指示によるものであれば瑕疵担保責任は負わない。
(2)期限は決められている。
(4)業務完了から瑕疵担保責任を負う。

80. 次は,業務上で得られた試験データの守秘義務について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

(1) 発注者の同意があっても外部に公表してはならない。
(2) 調査地点を示さなくても外部に公表してはならない。
(3) 業務完了後であっても外部に公表してはならない。
(4) 加工しても外部に公表してはならない。

正解は(1)

発注者の同意があれば、公表は可能です。