地質調査技士(現場技術・管理部門)を目指す

このページは、地質調査技士(現場技術・管理部門)を目指す人のために開設いたしました。 主に過去問の解答・解説、試験方法などについて記載していきたいと考えています。図書などを参考に記載していきますが、記載に誤りが含まれる可能性があります。 誤りがあった際はコメントをお願い致します。全地連では平成19年の過去問より無料公開していますが、出題された当時より改訂された物事があるため、基本的に過去問は新しい年より解答を載せています。

大深度地下について

最近では、出題回数が減っていますが、大深度地下について解説したいと思います。

 

大深度地下とは、2001年に施行された大深度地下の公共的使用に関する特別措置法による地下利用の新しい概念のことで、1980年代のバブル景気を頂点とした地価高騰時に考え出されたものであり、通常利用されることのない深度の地下空間を公共の用に利用できることとし、都市の形成に不可欠な都市トンネルや共同溝等の建設を促進させるために法制化されました。

大深度地下の定義は、[1]または[2]のうち、いずれか深い方の深さの地下である。
[1] 地下室の建設のための利用が通常行われない深さ(地下40m以深)
[2] 建築物の基礎の設置のための利用が通常行われない深さ(支持地盤上面から10m以深)

大深度地下を活用するメリットは以下の3点

  1. 上下水道、電気、ガス、電気通信のような生活に密着したライフラインや地下鉄、地下河川などの公共の利益となる事業を円滑に行えるようになる。
  2. 合理的なルートの設定が可能となり、事業期間の短縮、コスト縮減にも寄与することが見込まれる。
  3. 大深度地下は地表や浅い地下に比べて、地震に対して安全であり、騒音・振動の減少、環境保護にも役立つ。

大深度地下使用法の対象地域は人口の集中度等を勘案して政令で定める地域としており、三大都市圏(首都圏、近畿圏、中部圏)の一部区域が指定されています。

大深度地下は通常利用されない空間であるので、公共の利益となる事業のために使用権を設定しても、通常は、補償すべき損失が発生しません。
このため、本法律は事前に補償を行うことなく大深度地下に使用権を設定することができます。

 

 

 

H25

4. 次は,「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

 

(1) 大深度地下は,地下40m以深または支持地盤の上面から10m以深のうちいずれか深い方の深さの地下と定義されている。
(2) 上下水道,電気,ガス,電気通信のような生活に密着したライフラインや地下鉄道,地下河川などの公共の利益となる事業を円滑に行えるようになる。
(3) 大深度地下の使用に当たっては,火災,地震,浸水等に対する安全の確保及び地下水,地盤変位等についての環境の保全に特に配慮しなければならない。
(4) 対象となる地域は,土地利用の高度化・複雑化が極端に進んでいる首都圏および近畿圏に限られている。

 

正解は、(4)

対象は、三大都市圏(首都圏、近畿圏、中部圏)なので不適切です。

H24

4. 次は,「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

 

(1) 上下水道,電気,ガス,電気通信のような生活に密着したライフラインや地下鉄道,地下 河川などの公共の利益となる事業を円滑に行えるようになる。
(2) 大深度地下の使用に当たっては,火災,地震,浸水等に対する安全の確保及び地下水,地 盤変位等についての環境の保全に特に配慮しなければならない。
(3) 対象となる地域は,土地利用の高度化・複雑化が極端に進んでいる3大都市圏(首都圏・ 中部圏・近畿圏)に限られている。
(4) 大深度地下は,地下室の建設のための利用が通常行われない深さである地下40m以深の空間と定義されている。

 

 

正解は、(4)

大深度地下は、地下室の建設のための利用が通常行われない深さ(地下40m以深)、または、建築物の基礎の設置のための利用が通常行われない深さ(支持地盤上面から10m以深)のどちらか深い方の深さであるため、不適切。

H23

4. 次は,「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」に基づく大深度地下について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

 

(1) 上下水道,電気,ガス,電気通信のような生活に密着したライフラインや地下鉄道,地下河川などの公共の公益となる事業を円滑に行えるようになる。
(2) 大深度地下とは,地下40m以深または支持地盤の上面から10m以深のうちいずれか深い方の深さの地下と定義される。
(3) 対象となる地域は,土地利用の高度化・複雑化が極端に進んでいる首都圏および近畿圏に限られている。
(4) 地震の際の揺れに対する安全性が高く,騒音・振動の減少や景観保護にも役立つ。

 

正解は、(3)

対象は、三大都市圏(首都圏、近畿圏、中部圏)なので不適切です。

H22

4. 次は,「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」に基づく大深度地下について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

 

(1) 大深度地下とは,地下 40m以深または支持地盤の上面から 10m以深のうちいずれか深い方の深さの地下と定義される。
(2) 大深度地下利用により,線状構造物の合理的なルートの設定が可能となり,事業期間の短縮,コスト縮減にも寄与することが見込まれる。
(3) 対象となる地域は,土地利用の高度化・複雑化が極端に進んでいる3大都市圏(首都圏・中部圏・近畿圏)に限られている。
(4) 大深度地下では,地表および地下浅部よりも地震の影響を受けやすいため,地震時におけるライフラインの安全確保の措置が重要である。

 

正解は、(4)

大深度地下は地表や浅い地下に比べて、地震に対して安全であり、騒音・振動の減少、環境保護にも役立ちます。よって不適切。

 

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